今度、新築になるんだけど、アノ汚~~い桐たんすどうしよう。
キズはあるは、 金具は取れてる、どす黒くなってるし、カビっぽいし、穴が空いてるし・ガタガタだし、、、もう捨てる!? でも、この桐たんすは、おばあちゃんが、お嫁入りにもってきた桐たんす。おばあちゃんの人生と共に歩んだ桐たんす、思い出もたくさんあって、簡単に捨てられない!
でも、とても新築の家には もっていけない。
やっぱり、、、捨てられない。
あ~どうしよう。
そんなお悩みの方、古い桐たんすを職人芸にてみごとに新品並みに再生致します。累計1000棹以上の再生実績で多くのお客様に喜ばれています。本体前面はもちろん、側板、本体裏、引出、棚の奥の奥まで、きめ細かい作業が選ばれる理由です。
桐たんすの再生は"総桐箪笥和光"にお任せ下さい!
下記、写真はカビやシミが繁殖してしまった他社の製品画像です。
当社では"カビやシミ"が極端に発生しにくい"表面特殊加工"を桐たんす再生にも施します。
ケヤキ・クス等の一般家具の再生はこちら
ご依頼箪笥
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金具はずし・水洗い工程
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締直し工程
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箪笥前面補強工程
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金具の再生工程
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桐箪笥塗装~仕上げ工程
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たんす完成
桐たんすの再生をご依頼される平均的な桐たんすの状態です。
砥の粉もはがれ落ち、茶色く傷や割れ、隙間、もはやこれでは桐箪笥本来の機能は全く無い状態です。
{豆知識}
再生する桐たんすは「前桐箪笥」「三方桐箪笥」「総桐箪笥」と大まかに3種類あります。
『前桐箪笥』とは"前面部分に桐材"を使用し、内部は杉材等で作られたものです。
『三方桐箪笥』とは"本体・引出前面・引出側面に桐材"を使用し、その他は杉材等で作られたものです。
『総桐箪笥』とは、全てにおいて桐を使用しているもの。
全て桐たんすと呼べるものです。
背面の板も割れ、継目も外れ割れています。
これは長年使う間に木材の収縮で起こる現象です。
引出もこんなに隙間が!!
これでは湿気も害虫も入り放題で桐たんすの機能はありません。
まず一番に取りかかるのは金具の取り外しです。
当社での桐たんすの再生は 『金具も再利用します』 そこで本体は当然ですが金具を痛めないように取り外します。引手の金具が変わると感触が変わり思い出も半減しますからね。
不足分は代替え金具を使用します。当然金属ですので、さび崩れが多い場合は取り替えになります。
この作業、釘を一本でも残すとカンナが刃こぼれするので絶対に取り逃しは出来ません。
みてください! この汚れの落ち方を!
ブラシ等では落とせない汚れも高圧温水でしっかり落とします!
{技あり!}
この高圧洗浄は素人がやると材料が痛みます。圧が高すぎれば材料は痛みますし、低くければ汚れは落ちません。水圧の加減と噴射距離、職人の安定した作業が求められます。
本体の組み合わせ部分を『叩き外し』をします。
こうすることによって弱い接着部分が外れるので隙間から接着剤を流し込み締め直しを行います。
本体内部が割れている場合は、壁板の割れを利用して締め金を通し締め直しをします。
{チェック!}
この本体に貼り付けられた新しい新材ですが、ココに秘密があるのです!
この桐たんすの本体側板と壁板は木目が通し(上から下まで一枚の板)になっていて実に割れやすい構造になっています。新材を接着することで、格段に割れや狂いが軽減します。
今後長年お使いいただける様に一工夫です。(*箪笥によって施工が違います)
背面の割れふさぎです。
ルーターでまっすぐに溝を掘り、新材を職人芸でぴったり合わせます。
この作業は本体引出しの割れ全てに行います。
{豆知識}
桐材は水分を含むと膨張します。
それを十分に利用して割れを塞ぐときに水をたっぷりつけて木材の膨張を利用してより正確に接着します。
引出しもこう見えて細かくみると虫穴がたくさんありましたので前面の完全張り替えを実施。
通常は材料が正常であればそのままの木目を使用します。
{豆知識}
桐に虫が付く? 確かに完全にゼロではないでしょう。しかし昔の桐たんすには接着材に飯糊(ご飯を練ったもの)を使用していた為、害虫の寄りつきが多くみられます。
『桐』には天然の成分(タンニン・セサミン・パウロニン)と言う物質が害虫を阻害するので健康的にも衣類を守ると言う観点でも最良の木材であることには間違いありません。
引出し前面を3mm程削り込めば木目が柾目から板目に変わります。
これは柾目貼り(柾貼り)をされた引出です。
なぜ柾貼りをするのか?
桐材で細かい柾目を使用すると良質材料のが多く必要になります。そうなると供給はもちろん値段も高額となります。なので前面には美しい木目を柾貼りして整えられるのが一般的です
引出も本体の締め直しと同様に
叩き外して接着材を流し込み、締め直します。
締直しの後は、本体の前面を補強を行います。
新材の面合わせ
新材面の貼り付け
なぜ前面を張り替えるのか。
それは、前面張り替えをする際に「以前の面より少しだけ広く」しておく事で引出の隙間を無くす事が出来ます。隙間をなくすのは再生の基本です。
引出の上面を切り取ります。
引出し上面にも新材を貼り付けます。
引出が閉まらないほど余計に厚く貼っておくので、後に本体と引出を隙間無く合わせることが出来ます。
不要な部分を削って引出を合わせていきます。
引出が合わせられると見事に隙間がなくなります!
引戸の細かい作業も、、、
桐たんす再生の生地の完成です。
取り外した金具の汚れやサビ、曲がり等を修正します。
ガラスの粉を噴射して汚れやサビ塗膜を剥がす特殊な機械で加工します。
右半分が機械にかけられた部分です。
このように全て剥がし再度吹きつけ塗装をして完成となります。
生地が完成しても工程の全行程の半分です。
この後に細かい前面合わせ、金具の堀合わせ、バレン(うづくり)、数回の塗装、仕上げ、金具の取り付け、点検と続きます。
前面の細かい調整で仕上がったものです。段差や小傷もここで全て排除します。
うづくり(バレン)を本体と引出に施します
塗装です。当社の桐たんすの塗装は『表面特殊加工』ですので一般的な桐たんすとは全く違い独自の工程となります。下記は、下塗りが終わったところです。
独自に調合された「砥の粉」を本体に塗ります。
ゴムベラで余分な砥の粉を落とします。
と、あっさり書きましたが、この作業こそが表面特殊加工の『命』なです。
女性で言うならばお化粧のようなもの、綺麗に仕上げてこその価値!
水分で砥の粉がボロボロになったり、逆に水分が多くてもダメ、作業に手間取っていてもダメ
息をのんで一気に落とします。
みてください! この職人技!
うづくりを行った目に沿って砥の粉がピタリ! 後に上塗りして塗装終了です。
最終の木部分仕上げ、中目ペーパをサンダーで細目ペーパーを手作業で磨き上げます。
ロウ仕上げ。手垢の防止や質感の向上のために木部分にもロウ塗ります。
金具を取り付けて最終点検です。
これで桐たんす再生の完成です。
これからも長年使い続けられるようにたくさんの工夫が施されます。このページでも紹介しきれなかった、小技や職人技もあります。和光の再生技術と独自の"表面特殊加工"でより長く桐たんすをお使いください。
拡大です。
引出の隙間もなく、これでこそ「衣類を守る桐たんす」と言えるでしょう。